中野テルプシコールはとっても小さなスタジオです。そこに、50人位のお客さんが入り、肩を寄せ合い二人の演技をジッと待ちました。
開演すると、真っ暗になり、真っ暗ってこんな感じだったかな・・・と、思ったりしていると、佑理くんの演技がはじまりました。
ボールでどんな技をするかとか、いくつ投げるかではなく、ボールと徹底的に戯れます。そうせずにはいられないみたいに。
同じ動作を繰り返し、汗だくになり、飽きるほど繰り返し、何かをさぐっている感じ。
それを面白いと思うか、つまらないと思うかは、はっきり分かれると思います。私の連れはジャグリングをしないので、途中で飽きたと言っていました。何か面白いことをして、楽しませてくれることを期待していたからです。
何かわけがわかんないけど面白い、と思う人が多ければ、それは人に伝わる何かがあったのだと思います。つまらないと思う人が多ければ、もっと洗練することが必要なのかもしれません。
まだはじまったばかりです。
渡邊さんの体は、自由自在に動くヒトではない生きもののようです。音楽も構成もよく考えられていて、「俺がジャグリングなんだ」、ということをよく体現しています。
それは、人類が森から平原へ向かい、拾い上げた石や木切れを投げて遊んだであろうことを思わせます。
公演の後の座談会で四足歩行競技があったら出場したいと言っていましたが、納得です。自在に動く腕や足を見ていると、自由に動くためには並外れた筋力と柔軟性が必要なのがわかります。
「俺がジャグリングそのものなんだ」、という自負は、この人の思考を深め体の動きとなって表現されています。あの緻密に描かれたイラストのように、クネクネした体のいたるところから腕が突出し、足が手のように動き何かを語るのです。写真で見たときは気持ち悪いと思っていた白いパンツですが、こうしてみると違和感はありませんでした。
ジャグリングをアートとしてとらえ、答えのないものに向かい突き詰めたいこの二人が、今後どんな展開をしていくのかとても楽しみです。
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それじゃ、また来週~♦♫♦・*:..。♦♫♦*゚¨゚゚・*:..。♦